守備は攻撃だったのだ

守りに付いている守備側は投手だけが打者を攻撃していると思われがちだが、投手の投げる球種、コースを分っている守備陣は打者が放った打球のコースがある程度予測できるはず。

そうなると守備位置も随分と変わってくる。そうなると、守備陣も投手が打者を攻撃しているのに加勢することが出来るのだ。

攻撃的に守備をする、このことが分ってくると外野手もダイヤモンド90度を3人で守らなくてもいいわけです。20度棄てて70度を3人の外野手で守る発想が出来るはず。左の強打者にライト線に打たれたのではなく、ライト線に打たせたなら、レフト線を20度棄てて極端なシフトを敷き、守りきれるはずだ。

そう!数十年前の巨人の王選手を抑える為の王シフトがそれです。

 

王シフトとは、ライト方向へ打たれたのではなく、ライトに打たせたという積極的で攻撃的な守備だったといえるでしょう。チームは守っていながら、王シフトを敷き、全員で王選手を攻撃していたのです。

 

それにしても、そのシフトの裏をかかずにあくまでもシフトを突き破った王選手は、やっぱり偉大な打者だったのだ。 攻撃中の打者の頭の中は、投手がどんな球を投げてくるのか分らない為に受身になっているが、投手の投げる球を分っている守備側は、攻撃的に守れるのだ。こう考えると・・・打者は受身で、守備は攻撃だったのだ。

 

ナインの考える野球論